真実を知った今、俺の心はグチャグチャだった。


“ポタ――ポタ――”


開いたアルバムの上に雫が落ちる音がした。


アルバムが歪んで見える。


瞬きをするたびに、アルバムの上に雫が落ちて“ポタポタ”と音をたてる。


その時、自分の頬を涙が伝ってることに気付いた。


佐原と佐原の家族は、美雨がいなくなっても心配するどころか、いらないと言ってるようなもんだ。


それで何食わぬ顔して何不自由なく生活している。


あんなヤツらは血の通った人間じゃない。



「中野、さん?」


「あ、すいません……。美雨の気持ちを思うと悔しくて……」



俺はメガネを外して、手で涙を拭った。