「あやめちゃんはね、お花が大好きで、園庭のお花の水やりは、あやめちゃんの仕事だったんです」
早乙女さんに言われて気付いた。
確かに美雨は園庭の花の傍で写ってる写真が多い。
「小さい子のお世話も大好きで、泣いてる子を見ると優しく声をかけたり頭を撫でたりしてました」
美雨の小さい頃の話しを聞きながらアルバムを見ていく。
見たことがない美雨の無邪気な笑顔。
「だから佐原さんご夫妻の元へ帰る時が決まった時、妹が出来るんだって凄く喜んでて……」
妹……。
それは佐原のことだ。
やっと家族で暮らせると思ってたのに……。
美雨はどんな気持ちだったんだろう……。
早乙女さんの言うように凄く楽しみにしていたに違いない。
なのに美雨は……。
「迎えに来た佐原さんご夫妻も、あやめちゃんに対してニコニコしてて、優しく声をかけたりして……」
でもそれは偽りの笑顔と優しさで……。
このあとに待ち受ける日々なんて思いもしなかったろう。



