美しい雨―キミの笑顔を見せて―




美雨との出会いから今日までのことを全て隠すことなく早乙女さんに話した。


全て話し終えた後、早乙女さんは目にうっすらと涙を浮かべていた。



「怖かったんです……。あの時、早乙女さんに本当のことを話すのが……」



俺がそう言うと早乙女さんは、ゆっくりと首を左右に振った。



「ありがとう……。本当のことを話してくれて、ありがとう。あやめちゃんは元気?」


「はい。ただ……」


「ただ?」


「しゃべることも笑うことも泣くことも、しないんです……。いつも無表情のままで、感情のない人形みたいで……」


「そう……」



早乙女さんはテーブルの一点を見つめたまま、そう呟いた。


早乙女さんは美雨が感情を無くした理由を知ってるんだろうか……。