美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「中野さん、もういいですから、頭を上げて下さい」



えっ?


俺は早乙女さんに言われたように頭を上げる。


目の前にいる早乙女さんは優しい笑顔で俺を見ていた。



「正直に言って下さって嬉しかったです。だから、謝らないで下さい」


「ありがとうございます……」


俺は、もう1度、軽く頭を下げた。



「あの、美……いや、あやめさんは今、僕のとこにいます……」



俺は頭を上げた後、早乙女さんにそう言った。



「えっ?」



さっきまで笑顔だった早乙女さんの顔から笑顔がなくなっていくのがわかる。



「あやめさんとは去年の12月に出会いました……」



早乙女に全てを話そうと、そう切り出した。