美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「でも、私が学校に言ったらどうなると思う?」


「えっ?」


「事情があって、あやめを自分の部屋に住まわせていても、その事情を言ったとしても学校はそんなこと信じてくれると思う?」



佐原の言葉に俺は何も言えなかった。


佐原の言うように学校は信じてくれないだろう……。



「それに、パパとママが訴えたら?」



えっ?だって、美雨は……。


俺は目を見開き、佐原に目線を移した。



「親戚に預けていたと思ってた、あやめが娘の通う学校の教師の家にいた。

涙を流しながら被害者家族を装って世間に訴える。

本当はいらない子なのにね。パパとママならそんな演技やりかねないかもよ?

そしたら先生がいくら本当のことを訴えても世間はパパとママの言うことを信じて、学校は先生を辞めさすんじゃない?

で、先生は世間から誘拐監禁、未成年を自分の部屋に住まわせていた変態教師のレッテルを貼られながら生きなければいけない。

そんなの嫌でしょ?

だから私と1回だけセックスすれば、私は誰にも言わない。

先生も何事もなく保健室の先生を続けられる。

どう?いい考えでしょ?」



佐原の言うことは本当なんだろうか……。


佐原を1回だけ抱けば、このことは黙っててくれるのか?