今日は、いつもより早目に仕事を終え、車をアパートの駐車場に停めた。


美雨の待つ部屋に早く帰りたいと思う気持ちが先走り、自然と急ぎ足になる。


…………ん?


でも、アパートの玄関ドアが並ぶ廊下に来たとこで俺は足を止めた。


俺の部屋の玄関前に誰かいるのが見えたからだ。


メガネをかけてるくせに目を細め、その人物をジッと見た。


うちの学校の制服を着ている。


…………えっ?何で?


俺は止まっていた足を動かし、玄関前にいる人物に1歩ずつ近付いて行く。


玄関前にいる人物と俺の距離が近くなった時……。



「先生、おかえり」



彼女はそう言って笑顔を見せた。