美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「美雨ちゃんを探してた女性が誰だったのか……」



俺が黙っていると、裕介は独り言のようにそう呟いた。


裕介の中では写真の子は美雨だと決定しているみたいだ。


それに対して何も言えない俺は、裕介の言うように写真の子が美雨だと思ってるのかもしれない。


写真を見たのは俺だけで、それを見た瞬間、紛れも無く美雨だった。


でも、裕介に言われて自信がなくなって……。


でも……でも……。


…………あぁ、わかんねぇ。


頭の中がグチャグチャだ。


俺は氷が溶けて薄くなったアイスコーヒーを一気に飲み干した。


そして何も言わず、空になったグラスを持って、席を離れると、ドリンクを取りに行った。