美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「えっ?違うの?」


「いや、写真を見た時には美雨だと思ったんだ……。でも裕介に間違いなく美雨だったのかって聞かれると自信がなくて……」


「そうなの?じゃあ多分、美雨ちゃんじゃないんだよ。ほら、世の中には似てる人が3人いるって言うじゃん」



俺の気持ちを察してくれたのか、優香は明るく笑顔でそう言ってくれたけど……。



「もし、写真の子が美雨ちゃんだったら?」



裕介は冷静にそう言ってきた。


裕介の一言で優香の顔から笑顔が消えた。



「雅斗だって、写真の子が美雨ちゃんだって本当は十中八九わかってんだろ?」



裕介はそう言って、コーヒーを一口飲んだ。


裕介の言葉に俺は何も答えられなかった。


それは裕介の言ってる事が当たってるからなのか……。


写真の子は美雨だと認めたくないからなのか……。