美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「その女性は美雨ちゃんのお母さんだったのかなぁ?」



話し終わった後、優香はそう言っていたけど、裕介は何かを考えてるように一点を見つめたまま何も言わなかった。



「さぁ……」



優香の問いに、そう答えた俺。



「ヤバイな……」



俺が答え終わったと同時に裕介が一点を見つめたまま、そうポツリと呟いた。



「ヤバイって、どういうこと?」



優香が裕介にそう聞く。


俺も優香が言ったことと同じことが頭に浮かんだ。


裕介の言うヤバイって何なんだ?



「なぁ、雅斗?その女性が持っていた写真は間違いなく美雨ちゃんだったのか?」


「えっ?それは……」



裕介にそう聞かれ、返事に困った。


写真に写っていたのは間違いなく美雨だったのか……。


今朝、写真を見た時には紛れも無く美雨だと思った。


でも改めて裕介に聞かれ、あれは本当に美雨だったんだろうか……。


そんな思いが俺の頭の中を駆け巡っていた。