美しい雨―キミの笑顔を見せて―





『美雨ちゃん、元気?』


「あぁ。元気って言うか、いつもと変わんねぇけど……」



俺がそう言うと、優香は納得したようにクスクスと笑った。


その時、忘れていたことが頭に蘇る。


今朝の駅での出来事……。


美雨を探してた、あの中年女性。



「なぁ、優香……」


『ん?』


「…………いや、何でもない」



優香に話したって解決することじゃなく、それに、あの彼女とも会うこともねぇし。



『何よ。自分から話を振ってきて何でもないって、気になるでしょ?』


「忘れろ」


『はぁ?忘れろって……。余計に気になるじゃない!ねぇ、もしかして美雨ちゃんのこと?』


「えっ?」


『やっぱり……何かあった?』



このままシラを切り通して黙っておくべきか……。


でも裕介や優香は俺や美雨のために良くしてくれてる。


それに2人は親友で信用もできる。