「あの、この子……」 俺は写真の美雨を見つめたまま、そうポツリと呟いた。 「この子のこと、知ってるんですか!?」 彼女は驚いたような口調でそう聞いてきた。 彼女と美雨は、どんな関係なんだ? 親子? でも、それなら警察に捜索願いを出すはずだよな……。 彼女は、きっと俺の答えを期待している。 でも俺は……。 「知り合いに似てたから、つい……」 そう嘘をついてしまった。 美雨との約束を守るため。 でも本当の理由は、もし彼女に美雨を知ってると言ってしまうのが怖かったんだ……。