「──黒アゲハ…」 男はあたしのタトゥーを見てそう呟いた。 「……は?」 「おまえが黒アゲハか……」 「……………」 「……そんな死んだ目ぇしてんなんて、期待外れだ」 男はそう捨て台詞を言い、フラフラと立ち上がった。 “…そんな死んだ目ぇしてんなんて、期待外れだ” あたしの頭の中はこれがぐるぐる。 タバコに火をつけ、少しでもイラつきを減らそうとする。 なによ……期待外れって そして、またあたしの意識はなくなった──…