帰りの車の中、あたしはふと思った。


……今日、命日だったのかな……


「命日は……明日よ」


お母さんはあたしの心の中を読んだのかあたしをちらっと見て言った。


「……じゃあなんで今日」

「私は彼が命を捨てて守った他人の子供の親でしかないの。誰も私達の関係を知らない」

「……他人の子」

「そう。だから余計に私への風当たりは強かったわ。私が彼にあなたを預けなければこんなことにならなかった……ってね……」


お母さんはため息をついた。


「……だから今日ってことか」


お母さんもお母さんなりに苦しんでいたのだろう。