「……あのさ」

「……?」

「お父さんはあたしを守って死んだの……?だからあたしは──記憶がないの……?」

「……!!」

「そうなの……?」


あたしはただ真実を知りたいんだ。

事故のこと……記憶のこと……


「……目撃者の方は……あなたを守っていたと言っていたわ。
でもあなたは重症だった。頭を強く打ち、意識がなかなか戻らず……戻っても何も言葉を発さなかった。
そして……基本的なこと以外、全く記憶がなかったのよ……」

「……記憶喪失」

「簡単に言えば、そうね……」


あたしやっぱり記憶喪失だったんだ……