窓側の席に座ったあたし達は無言だった。 こんなに会話のない親子はいないだろう…… 先に沈黙を破ったのはお母さん。 「急にこんなところ、連れてきてごめんね……」 「……………」 「……ちゃんと説明するわ」 ……え? 「あなたのお父さん、結駆と出会ったのは、ちょうど仕事帰りの時だったわ……」 お母さんは遠い日を思い出すように……窓の外を見つめていた──…