「結奈ー」 下からお母さんの声が聞こえてきた。 よし。 気合いを入れ、あたしは下へ降りてお母さんと共に家を出て車に乗った。 ずっと乗っていなかったお母さんの車の助手席。 とても懐かしく感じる。 「……ちょっと遠いけど、混んでなければすぐ着くからね」 お母さんにそう言われて頷いた。 ……どこ行くんだろ……?