黒アゲハ Ⅱ -真実- 【完】



「……綺麗」


2人で手を繋ぎ、肩を並べて砂浜に座る。


ちょうど日が沈むところで、海に太陽が半分顔を出していた。


だんだんと沈んでゆく太陽。


見ていると、もう1日が終わるんだ……

と、寂しい気持ちになった。


ふと、純を見た。


二重の目、遠いどこかを見つめる瞳、スラッとした鼻筋、凛とした輪郭……

まさに美しすぎる顔立ち。


でも、今はこんな男といるんだから、寂しくないね。


あたしの視線に気付いたのか、純はあたしを見つめる。


そして──自然と唇を重ねた。