黒アゲハ Ⅱ -真実- 【完】



遠くでそう言ったのが聞こえ、純が走ってあたしのもとへ来た。


手からミュールが奪われ、あたしはなにがなんだかわからない状況でぽかんと純を見上げる。


「アホ面」


と、ぺちっとデコピンされた。


「な、なにすんのよ!!」

「ほら。もうちょい向こう行くぞ」


純はあたしに手を差し伸べた。