『そっかぁ…あたし、夏木君の家族になるのかぁ……。』 ピタッと夏木君の動きが止まり、目を見開いてあたしを見るので、ん?と小首をかしげると、次第に優しい笑顔に変わった。 ギュウッと抱きしめられ、首筋にチュッとキスを落とされ、ピクンッと体が反応する。 『…ったく…お前って本っ当! 俺のツボを知ってるよな。 飽きない奴…』 えっ?何が?と困惑しつつ、背中に回された力強い腕と、あたしの肩にクスクス笑いながら項垂れる夏木君の顔に何年も経った今でもドキドキさせられる。