「ふぅん。」 そう小さく言ったまま、草をむしりながら黙る本田君に、何を話せばいいのか分からず気まずさを覚える。 「じゃあ先生は掃除するから。 本田君は教室戻りなさい。」 ゴミ袋を渡してもらおうと手を出すも、じっと動かない彼に名前を呼びかける。 「…本田君? ねぇ、ゴミ袋……。」 「……あんたが高校生の時、どんなだったの?」 「えっ? 何?いきなり。」 「教えてよ。」 授業に戻る気もなさそうな彼に観念し、隣にしゃがんであの頃を思い出す。