それなら、本田君が保健室に来る事はなくなり、室井君もそれがつまらなくなったのか嫌がらせはなくなっていった。
怜とも仲直り出来て、相変わらずの学校生活を送っていた頃、季節が初夏から秋に変わっていった。
そんなある日、ゴミ拾いをしようと運動場の草むらで1人歩いていると、声が聞こえてきた。
誰かサボってるな?
そっと声の場所を辿ると、男女が向かい合っていた。
何で男女がこんなとこに!?
あわあわと会話を聞き耳立てていた。
「……なんで?
まだ何もしてないのに…別れたくないよ。」
「好きになれるかもって思ったけど無理。」
「ひどいよ…。
やっと付き合えたのに…」
泣きながら去って行く女の子の後ろ姿を見ながら、心臓が破裂しそうなぐらいドキドキしていた。
別れ話!?
高校生、こんなとこで話す!?

