「それでね、あたし言い返さなかったの。
偉いと思わない?」

帰って来た怜にさっそく今日の話しをした。

「へー。我慢出来たんだな。
偉い偉い。」

適当に褒められ納得出来なかった。


「あたし怜との約束思い出したんだよ。
怜じゃなかったら喧嘩しちゃってたかも。」

………………。


あたしをジロリと横目で見た怜に負けじと視線を送り続ける。


観念した様にため息を吐いて、分かったよ…と腕を広げた。


思い切り怜に駆け寄って、ワイシャツ姿の怜に飛び付く。

ギュッと抱き締められたまま頭を撫でてもらう。
至福の時。
これをしてもらいたくて、褒めて光線を浴びせていた。


「あたしも怜を癒すからね。」

ギュッと抱き締め返すと、フッと笑われた。

「お前が近くに居ると思うと毎日落ち着かない。
家にずっと閉じ込めておきてーなって思う。」

怜の本心なのかな?

「それはあたしには出来ないなぁ。
頭おかしくなっちゃいそ。」