マジマジと指輪を見ながら夏木君に渡すと、高橋…と大好きな優しい声と笑顔であたしを呼んだ。 『…結婚しよう。』 『けっ………………?』 固まったあたしに夏木君はシルバーの指輪をあたしの左の薬指にはめてくれた。 『いらないのか?』 反応しないあたしに、夏木君が指輪を取ろうとした。 『や…っいる!いります!』 『返事は?』 『結婚…します!』 そう言った瞬間、涙が自然と出てきた。 『う~…夏木君~ずるいよぉ。 まさか…夏木君がこんな事してくれるなんて全く思ってなかったもん~!』