『やめてー!仕方ないでしょ! 緊張してたんだからぁっ!』 『緊張してても普通あんな大胆に落ちねぇだろ。 皆あれでお前の顔ばっちり覚えたはずだぞ。 良かったな。』 面白がって意地悪ばかりを言う怜にあたしは拗ねた。 『もう…ひどいよ! あたしだって恥ずかしいしへこんでるのに…』 もちろん、後ろからギュッと抱きしめて優しくキスをして、ごめんな。と言ってくれるのを期待しての言葉なのだが、彼がそんな事してくれるはずもなく、隣であたしの鞄をガサガサと探り出した。