『あたし達家族になったんだ……』


家に入った途端、ぼんやりとそんな事を呟くあたしを後ろから怜が頭をコツンと叩いた。


『ボケっとしてないで早く中入れよ。』


あぁ…このかっこいい人があたしの旦那さんなのね。
そしてあたしは夏木愛美なのねっ!!


一人で盛り上がったあたしは彼の後ろから突進する様に抱き付いた。


『ぐえっ!!』


怜は鳥みたいな声を出した。
そしてしがみつくあたしに、いきなり抱き付くなっ!と怒鳴った。


『だってだって嬉しいんだもんっ!
本当に夫婦になったんだよ!
怜があたしの旦那さんなんだよ!
なんかもう長い夢なんじゃないかな…』