『フフフフ……』 あたしは夏木君がお風呂に入っている間、薬指に光る指輪を見つめて怪しげな声を出しながらニヤついていた。 『なんだ、変質者が部屋にいるようだな。』 ビクッ!と体を揺らし、慌てて振り返る。 『なっ夏木君……』 『気持ち悪い声出してんなよ。 スゲー不気味だから。』 上半身裸でタオルを頭にかけたままあたしの隣に座る夏木君からシャンプーのいい匂いがする。 『だって、嬉しいだもんっ! お城の前でプロポーズなんて本当お姫様みたいだったなぁ…』