ポーカーフェイスの怜がそんな事を思っていたなんて知らなかった。


「今日、校長に話してきた。
バラした以上、どうなっても処分は受けるって。
そしたらさ、あの人何もしないって言ってた。」

「辞めなくていいってこと!?」


そうだ、と微笑んであたしの頭を撫でる怜に、思い切り抱き付いた。

こんなに幸せな事あるの?
本当に恵まれてる。

「本田にさ、言われたよ。
俺はあの人の子供に産まれたかったのかもって。
あんたらみたいな親だったら、きっとすげー幸せなんだろうなって思った。
何か生徒に言われても絶対に宣言した事間違って無かったって。」




本田君が………

「やっと、子供が作れるんだな。
家族を作れるんだ。」

怜の家族をあたしが作ってあげれるの?
…凄い。

怜の温もりに包まれたまま眠りについた。