放課後、いつも通りプールサイドに行くと未だ小柳の姿は無かった

「をぉっ恵理子!昨日は楽しかったな」

先輩がニヤニヤしながら言ってきたかと思うと、肩に腕を回して顔を覗きこむ

「あれから春さんに襲われたりしなかった?」
「・・・」

唐突な質問に恵理子は昨日のキスを思い出し固まった

否定の言葉も出せずにいると、重くのしかかった先輩の腕が急に軽くなった

「お前と一緒にすんな 何もしてねぇよ なぁ恵理子?」

先輩と2人で振り返れば、いつもの小柳がそこにいて恵理子に同意を求める

「あっ・・・はい・・・」
「恵理子、あっちでマネージャーが手伝って欲しそうにしてたぞ」

「はい」

小柳の立ち去れと言わんばかりの言葉に恵理子は部室へ行く

マネージャーと練習の準備をして選手がプールに入ると、雰囲気が一変する

激を飛ばす小柳の目は厳しく、泳ぐ先輩の目も真剣だ