夢から覚めて

「コーチはよく遊園地来るんですか?」
「小さい頃は来てたかな・・・っていうか、遊園地で”コーチ”は気分下がる」

「でもコーチはコーチだし・・・」
「春でいいよ あいつらみたいに」

先を歩く先輩達を顎でさして言ってきたかと思えば、呼んでみろよっと見つめてくる

「・・・春・・・さん・・・」

照れながら名前を呼んでみれば、小柳はうんうんっと頷いてからニヤリッほくそ笑む

「今日一日、コーチって呼んだら罰ゲームな」
「罰ゲームって??」

「そのとき考える」
「意地悪・・・」

「ん??何て?」
「いじわる」

「誰がいじわるって??」

わざと名前を呼ばそうとする小柳をちょっと睨むように見て、目線を逸らして小さい声で”春さん”っと言えば、聞こえないっと繋いだ手をギュッとする

「もぉ~!春さんの意地悪」

ホッペを膨らませて大きな声で言えば、そんなイチャツク2人をニヤニヤして待ち伏せする先輩達

「恵理子、春さんに意地悪されたの?」

心配するように聞いてくれるマネージャーに恵理子は小柳を上目遣いで見ながら頷いて助けを求めるが、小柳は違う違うって怒るマネージャーに否定する