夢から覚めて

”もしもし?”
”はい・・・”

”新井恵理子さんの携帯ですか?”

聞きなれない丁寧な言葉遣い・・・だけど、どこか聞き覚えのある声・・・

”そぉですけど”

無愛想に返してみれば受話器の向こうから笑い声と共に聞こえてくる喋り声

”恵理子 俺、小柳だよ”
”コーチ!!”

驚いていれば、いつもの恵理子の声と違うから騙されたかと思ったっと言っていつもの小柳の声と共に後ろから笑い声が聞こえる

”恵理子 暇か?”
”・・・え?”

”遊びに行かないか?遊園地”
”あっ・・・”

突然の誘いで返事に詰まっていると警戒してると思ったのか、二人きりじゃねぇから安心しろっと補足する小柳

そして続いて聞こえてきたのは、プールサイドでも何かと小柳をからかう先輩の声

”恵理子ぉ~遊園地行こうぜぇ~ ・・・

”おいっ無理強いするな!”

・・・恵理子ぉ~春さんが会いたいってぇ~・・・

”あのなぁ~”

・・・ ”

電話口で小柳をからかう話し声に聞き入ってると咳ばらいが聞こえる

”悪いな 煩いのが横に居て・・・で、どぉする?行けそうか?無理しなくていいけど・・・”
”行きます!!”

プールサイドと同じ、無理強いのない誘いに電話を耳に当てニンマリする

そして電話口の楽しそうな雰囲気が恵理子の心のモヤモヤを吹き飛ばしたかのように、威勢よく返事した

”じゃぁ駐車場にいるから、急がなくていいから準備できたら出てこい”
”はい”