夢の時間

村井は思ったままの気持ちをリコに言ったが、その言葉は無情にもかき消された

「村井君、患者をたきつけるのは医者として良くないぞ」

振り返ると辰巳が立っていた

「辰巳先生・・・」
「恵理子ちゃん、今は元気になることだけを考えなさい 村井先生の言葉は元気になってからだ」

辰巳は恵理子の横にしゃがんで話すと、恵理子の腕を掴んで立ちあがった

「病室戻ろう」

恵理子は掴まれた腕を睨んだままベンチから腰を上げようとしない

そんなリコを横に何もできず茫然としている村井

リコは辰巳の腕を振り払って村井に抱きついた

「リコ?」

小さなリコの体がフィットするように村井の胸にしがみ付く

村井はそんなリコの背中に手を回し背中を摩るとリコの心臓の音を手に感じる不安定な音