夢の時間

あれからちょうど一週間がたった日の放課後、病院に行った

診察室をノックすると平田ではなく辰巳の声がした

カーテンを開けると一週間前と同じように平田と辰巳がいた

「入っておいで」

「少し顔色よくなってるな」

平田も辰巳も勝手だ

思ったままの言葉しか言わず、恵理子の聞きたいことは後回し

恵理子は一刻も早く回復を言って欲しくて平田をせかした

「胸の音も変じゃない もぉ練習再開してもいいでしょ?」
「・・・そんなに水泳がしたい?」

「当たり前だよ 大会前だよ」
「あと三週間か・・・」

「リレーにも出るの 自分だけじゃない、先輩達まで悲しませたくないよ」
「自分のことより周りのこと。。。そんな余裕ないくせに強がるなよ」

「そんなつもりじゃない ただ・・・出たいだけだよ」
「分かったから、ひとまず一週間安静の成果をみせて」

平田はそぉ言うと椅子に座った彼女の首元に手をやり腫れをさぐった

そして下まぶたをさげ貧血をみた

聴診器を耳にはめると胸の音を確認しカルテに書きこむと向き直った

「回復力は水泳への執念か、それとも体力がついたからかな 再開の許可は出すけど、一気に無茶はダメだよ で、一週間後にまた来て ぶり返さないとも限らないから ぶり返したら次はないからね」

平田はそぉ言うと笑顔で恵理子の頭に手を置きクシャとした

満面の笑みを返すとカバンから大会承諾書を出しサインをもらい病院を後にした