夢の時間

翌週、恵理子は誰よりも緊張していた

それもそのはず、リレーに出るなんて初めてだし、先輩達の足を引っ張るようなことをしたくなかったから

先輩達のタイムがよく、全体としてタイムが速かったのもありレースは最後から二組目だった

1泳の恵理子は笛の合図で入水するとグリップに手をかけた

そしてスタート台のむこうに見える先輩達に笑顔を送った

余裕の笑みではない

緊張の笑み

スタートの合図とともに泳ぎはじめた恵理子は最初こそ遅れをとったものの、意外にも離れることなくターンした

練習のカイあってターンもキレイに決まった

後半、バテてきた隣の選手との差を詰めるように追い上げ、差を縮めて引き継いだ

恵理子にとっての格闘はレース後だった

100メートルを全力で泳ぎきった恵理子は自分のコースから上がることに苦戦した

見かねたコース審判が手を貸し、何とか上がってきた時には選手が近づいてきていた