夢の時間

上着と靴を脱いで肩を回しているとコーチは小声で言った

「キレイなフォームで泳げよ」

その言葉に軽く頷くとちょうど入水の笛がなった

いつも通り他の人の入水を見届けてバーに捉まりながらソッと入水

スタートの合図とともに泳ぎ始めると、コーチに言われたことが頭から離れず基本に忠実に腕を回しターンしゴールした

ゴールしてみればダントツの優勝

しかも大会記録だった

歓声があがる方を見ると先輩たちの叫ぶ声が聞こえる

軽く拳を上げて声援に答えた

それから限界の力を振り絞ってプールから上がった

その姿をコーチは苦笑いしながら見ていた

プールとコーチに一礼して表彰控え場所に移動しても未だ優勝の実感がなかった