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エレベーターの小気味よい音とともに、目的の7階に着く。
フラフラする身体をなんとか壁を伝って支えながら、静かな廊下を歩く。
時刻は午後11時。
当然、人がいるわけない。
それをいいことにあたしは靴音をカツカツ鳴らしながら歩く。
だけどその音に覇気はなくて。
2時間飲み続けて完全に酔っ払ったあたしは、自分の部屋の前へと歩む。
もう、散々だ。
泣きたくないからこんな時間までお酒を飲んだのに、逆効果だったみたい。
バーを出る時にトイレで見た自分の顔はやつれて、半日で何があったというほど血の気がない顔をしていて。
バーを出ると、何人かの人があたしを凝視する。
失恋って、こんなにも生命の力を奪うんだ。
我ながら、馬鹿げてると思いながらも、目の前はぼんやりとしてくる。
そして、寒さが身を襲う。
