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「・・・みーつき!」


「へ?」


振り返ると、衣織が仁王立ちで
あたしを見下ろしていた




「へ?じゃないでしょ!練習始まる!」


「あ、ごめん」


「ったく・・あんたいないと
始まんないのよ?」



衣織はあたしの手をしっかり掴み
音楽室のある四階までのぼった



部屋に入ると、皆が待っていた


「みーちゃん、遅いよ」


「ごめん、ごめん」


あたしのことを唯一みーちゃんと呼ぶのは

キーボードの撫子(なでしこ)




「寝過ぎには気をつけなよ?桜姫」



桜姫と呼ぶのは、部長兼ベースの凛(りん)