50メートルの距離

芝生でひろちゃんと隣り合わせに体育座りして

長いこと“音”を聞いていた



「・・・あのさ」

「ん?」

「原ってさ、祭也のこと好きだろ」





・・・・・・・・む?

ひろちゃん、以外と鋭い?

「なんで?」

「え・・・見てれば、分かる」



やっぱさ-ちゃんわかりやすいかぁ。

「だからここに連れてこられたとき抵抗しなかった」


何も、返す言葉はない

花火の音と周りの雑音ばかりがうるさい

「祭也に告うんでしょ」


「そう、だよ。」




「ごめん。今言うことじゃないかもしれないけど、多分あいつオッケーしないよ」



オッケーしない?
この子何を言っているんだろう

本人でもないのに?

「なんで、そう、言えるの?」



ひろちゃんは、すこし間を置いてからこういった


「あいつの親友だから」



また沈黙が訪れる。


そういえば、考えてなかった

仮にさ-ちゃんが藤山にフラれた場合、なんて声をかけてあげるか



そっとしておいた方が良いのかな

それは逆に見放したみたい?


あたしの目には両思いにみえてたのに