50メートルの距離

そして、今日は冬祭り


待ち合わせにさーちゃんと一緒に行くと

藤山とひろちゃんはもう来ていた。

「待った??ごめんね、もうほんと美希が準備おそくてさぁ」

「え・・・」



あんたが寝坊したんだろ
まあ、親友の恋の手助けに嘘は必要なのだ

「はぁ?なに、石巻ガチで12時間も寝てたわけ?
ありえねーわあ」

「だって眠いもん」


とりあえず軽くかわしておく

さ-ちゃん嬉しそう
  わかりやすいな


今日の作戦としては、


あたしがひろちゃんと迷子になるふりをして
ムコウを告白させちゃうっていう


ちょっとドラマチックすぎる?


と、隣でさ-ちゃんが叫んでる


「てゆーかなんでみんなめっちゃ個人の服来てるの!!」







さーちゃん、白いもこもこのサロペットの中から顔を出しているのはクリーム色の長袖のさきっちょにファーがついたおしゃれな奴

ブーツも白のムートン

ソックスこそ黒だけど、いかにも「信じてます」って感じ


「だってよ、めんどくね?なぁひろちゃん」

「あんまり意味なさそう」

さりげなく毒舌ですね


あたしは、さーちゃんに「サロペ、一緒にきよう!!双子っぽいよ!!」とかなんとかで

赤チェックのサロペまわりのモフモフがかわいくて
買ってしまった



藤山はナゼかタンクトップにポロシャツ羽織っただけの超薄着だし

(その両方がすごく派手)

ひろちゃんは蛍光青のジャンパーとジーンズで


すっごく不満げな表情のさ-ちゃん

「もおーっ!ま、いいや
 ね、クレープ食べたい♪」

「藤山おごってよ!」

「なんで俺なんだよ!ひろちゃんにパスだし!」


「俺、300円しか持ってない」


『えぇぇぇ』