好きです。 ~春~



 結局真樹はあたしの事よりお土産に悩んでいた


 あたしはお兄ちゃんから頼まれたものと両親にあげる物

 あと自分が食べるお菓子だけ買ったら終わりだったからさっさとお店を出た



 真樹はまだかかりそうだったから先にバスに戻る

 でも、うちのクラスのバスは…


「あたしそんなに用意早かったかな?」

  
 そう呟くのも無理が無かった


 誰一人乗っていなかった


「皆遅すぎだよ~…」

 そうもう一度呟いて一番後ろの席に座ろうとすると…


「あっ!!

 
 …光いたんだ」

 座ろうとした席には光がいた

 
 座る所を取られてちょっとムッとした

 でも、後ろが良かったから窓際に座っていた光の横に座った


「寝てるじゃん…」

 腕と足を組んでリズムのある寝息で寝てる

 
 これ光のファンだったら堪えられないんだろうな~

 勝手に納得しながらマジマジと観察をした



 とにかく眠いから座って

「さっきはごめんね」

 そういって目を瞑った



 そのごめんは意味は深くなかったが眠りが浅かった光には届いていた

 そしてその言葉に頬を赤くしていた事など美紀が知る訳ない