そして今は学校からの帰り道。



「ふんふんふ~ん♪」



授業中に浮かんだネタがムクムク膨らみ、上機嫌のあたし。

早く家で細かい肉付けをしていきたい。


と、思っていたのに…




「ご機嫌だな、中みな!」




それを阻む奴の声が。



「だから、変な所で区切らないでよ!」


「愛称だって♪」




そう言ってニッカリ笑っているのは、やっぱり神坂だ。

面倒な奴に絡まれちゃったな、と内心毒づく。




「ってか、なんで神坂がここにいるのよ?家、北区って言ってなかった?」




神坂は確かにそんな話をしていた。

あたしの家は西区。

反対とは言わないが、方角が違う。




「別にいいだろ?俺だって寄り道ぐらいする。」


「ふーん。」




あたしは大して興味なく、あからさまに適当な返事をする。