そうして、次の小説の案を考え出そうとした時だ。



「またやってんのか?中みな!」



でた。

前の席に座る『奴』が、くるりと後ろに振り向いてきて、にやにやと笑う。

あたしは、ハァーと溜め息をついた。



「あのねぇ…何度も言うけど、あたしの名前は中 未奈美!変な所で区切らないでよ!」



なんで「み」だけを言い残すかなぁ。




「じゃあ、中みなしって呼んでやろうか?」




そう言って悪戯っぽく笑う奴、こと神坂閃。