「はぁー!美味しかったー!」




お店を出てお腹を撫でる神様、もとい神坂は完全に機嫌が治ったみたいでピュアな笑顔に戻っている。




「うん。美味しかったね。」




あたしも大満足だ。

ケーキもだけれど、神坂があたしのことをよく見てくれていたことが何故だかとても嬉しかったから。

その膨らんだ気持ちのせいか、私はさっき恥ずかしくて言えなかった事も、言えるような気がした。

だから……




「神坂さ、なんで小説書いてるのかって訊いたじゃん?全然、大したことない理由なんだけど、それでもいい?」


「もちろん!」




即答する神坂に安心感。




「私、胸がきゅんとするような恋に憧れてて、それで私の憧れを小説にしてみたの。そしたら、なんだかんだ人気が出ちゃって、小説家デビュー!びっくりだよね。」




えへへ、と笑う。




「でも、本当に恋愛したことないからすぐにネタなんか尽きちゃって。そんな時に神坂が現れたんだよね。」


「そっか。中みな結構ドライだから推理物でも書いてるのかと思ってたわ!それが、恋愛小説だったとはねー。」




にやにやしてる。





「な、なによ!恥を偲んで告白したのに!」



「いやいや、かわいいなぁって思ってんだよ。」



「へ?かわいい?!な、なに言ってんのよ!バカ!」