「お待たせ致しました。」




コトリと置かれたお皿にはケーキだけじゃなく、フルーツにソース、チュイールが鮮やかに盛られていてとても華やかだ。

思わず、




「綺麗……!」




と、零すとサービスの男の人がニコリと笑って浅く礼をしてくれた。




「すごいね!神坂!お皿が芸術作品みたい!」


「そうだろ!ここのすげぇとこは、喫茶だとフルーツやソースをサービスで付けてくれるところだ!」




神坂はえへんと胸を張る。

なぜ神坂が偉そうに言ってるの?という突っ込みはひとまず置いておこう。




「ケーキを美味しく食べてもらう為のシェフの心配りでな!お得だろ!そのシェフの目指すものっていうのがまたカッコよくて!」




また長くなりそうだな。




「わかったから、はやく食べようよ。」




そんな時、ふとまた閃きの神様のご加護か、アイデアが思いついた。



パティシエが主人公の物語。

いやいや、デートのシーンでこんな風に素敵なお店を出すのもいいな。

ふむふむと1人で考えていると、それに気付いた神坂がニヤリと話し掛けてくる。




「俺のご加護があっただろ?」




悔しいけど……




「……あった。」