「ほんっとお前といると飽きねえわ。」


「それって褒めてるの?喜ぶところ?」



じどーっと目だけを神坂に向ける。




「褒めてる、褒めてる。喜んどけ!」



「なんか素直に喜べないんだけど?」




絶対馬鹿にしてる!!

だって、まだ神坂はにやにや悪戯っぽい顔をしている。




「そんなことより、どっか付き合って欲しかったんじゃないの?」



「あー、そうそう!昨日のお詫びをしてもらわねぇとな!」




ようやく笑いが治まった神坂は、ぐいっとあたしの手を握った。




「…?!ちょっと!」




なによこれ、と目で訴える。




「逃げないように、な!」


「逃げないし。離してよ。」




なんだかドキドキするし、落ち着かない!

あたしは表情に出ないように、必死だ。

こんな気持ち、神坂に知られたらたまらない。




「だーめ!ほら、行くぞ!」




二ヒッと笑う神坂が、眩しく見えた。





「ちょっ…どこ行くのよー?!」





そうして今日も、あたしは神様に拉致されるのであった。