「そ、それじゃ、今日はこのへんで……」
 エミヤは途切れ途切れに、でもはっきりと言うと、逃げる様に病室から出て行ってしまった。
 笑実香は、首を傾げる。

 ーー……一体、何しにきたんだろう?

 笑実香は再び横になり、天井の一点を見つめた。

 ーーでも、

 布団をがばっと被り、笑実香はくすりと微笑んだ。


 ーーなんだか、面白い人だったな。