「おつかれさまぁ」
 アイトがさっきの公園のベンチに腰掛けていると、聞き慣れた声が空から振ってきた。声の主は、アイトが顔を挙げるよりも先に、彼の左隣に腰を下ろした。
 その人物は誰か、見なくても分かる。……メグミだ。
「ああ、疲れた」
 いつもの会話を交わす。アイトは一度ため息を吐いてから、疲れきった顔で今日あった仕事について語り始めた。
「今日は、若い男だった。多分、俺らの容姿と同じくらいの歳かな」
 メグミは時々相槌を打ちながら、アイトの話を黙って聞いている。