『やはり休憩しろ、アイト。死の王だって、それぐらいの融通は利く』
「う……」
 流石に限界を感じたアイトは、丁度自分の真下にある公園にゆっくりと降り立った。そして、隅にあったベンチに腰を下ろした。

『お前は無茶をしすぎだ。最初から飛ばし過ぎても、結局は意味が無い。何度も言っているだろう』
 アイトは、鎌が自分のことを心配していると分かったが、今は感謝の言葉を告げる体力も無い。……鎌の言う通り、無茶しすぎたみたいだ。
『大丈夫だ、私が鎌である限り、人間に姿は見えん。ゆっくりと休め』
 もはやアイトには、鎌の言葉は聞こえていない。アイトは、深い眠りに落ちていた。