「お邪魔します」



ゆーちゃんちはリビングとロフトになってて、リビングが柚子ねぇの部屋と化してる。



だから、ゆーちゃんの部屋であるロフトに行くためには必然的に柚子ねぇが寝てる部屋を通らなきゃで‥



「静かにな」



わかってるよ!



「璃玖、おいで」



ロフトに行くためのはしごを上ると、布団の上で手を広げるゆーちゃん。



ヤる気満々デスカ。



「ん。」



ゆーちゃんに後ろから抱き締められる形で座り込む。



この体制が付き合ってる時は大好きだった。



「璃玖、最近家はど?」


「この前兄ちゃんとケンカした」


「何で?」


「お母さんとケンカして"クソババア"って言ったら"俺の女にそんな事言うな"って怒ってるみたい」


「ぷは。相変わらず幼いな、お前の親の彼氏」


「ホントだよ。どんだけ幼いの」


「けど、向こうが子供ならお前が大人にならなきゃな。そこでお前が子供なままだと状況は悪化するばかりだ」


「うん‥だよね」



私の家は母子家庭で、そのお母さんには彼氏がいる。


お母さんの10歳下の彼氏はホントに内面的に幼い。



そのせいでぶつかる事がよくあり、その度にゆーちゃんに愚痴っていた。



「親は親。お前はお前で割りきらないとお前がキツいぞ」



その度にゆーちゃんは私の中での正論をぶつけてくれる。



一般的にいう正論が何なのかはわからないけど、私の中でゆーちゃんは正論。



だから、何かある度にゆーちゃんに相談してしまう。