だから私は、かなたんの優しさに甘えて話す。
「私妊娠してるかもしれないんだ」
「え?」
「生理が1ヶ月遅れてんの」
「その事、元カレは知ってんの?」
「今日話してくる」
「そっか」
会いに行く‥とは言っても話にならないかもしれない。
実際メールで“お前を喰っていい?”とか言ってたし。
だから、ここに来る時から物凄く憂鬱だった。
「襲われたらどうしよ」
冗談っぽく笑いながら口を開く。
「その時は俺が助けに行ってやるよ?」
かなたんも冗談っぽく笑いながらノってくれた。
だけど、私はまたドキドキしていた。
「お前誰?ってなるじゃん」
「彼氏だ、って答えてやる」
「馬鹿だっ。キスしろ、って言われたらどうすんの?」
「俺は出来るけど‥あ、りぃが嫌か」
冗談の会話中、それでも私を気遣ってくれるかなたんの心遣いがホントに嬉しかった。
だから笑顔で
「かなたんならいいよ」
なんて言ってみた。
コレが本気だったのかなんてわからないけど、私が少なからずかなたんに好意を抱いているのは確かだった。


