体が発する警告は、徐々に全身の力を奪って行き、足が止まるようにと仕向けてくる。下半身はもう無理に動かしている感じだ。腕を振ることもままならない。 だが、俺は上ることをやめなかった。 階段を一段ずつ蹴るようにして駆け上る。 止まる訳にはいかないのだ。足が動かなくなっても、腕が動かなくなっても、息が出来なくなったって、意志の力だけで上り続けてみせる。 人間なりふり構わなければ何でも出来る。どこへだって行ける。 問題があるなら、それは心の中にだけだ。